亡国のイージス

亡国のイージスはいわゆるプレミア試写会で。個人的にはいろいろゲストが登場したりするプレミア試写会、というものはあまり好きではなくて、早く映画上映してくれよ! とおもったりする。基本的に、芸能人を呼んでおけば客も喜ぶだろ的な演出はちょっと違うと思う。さすがに「カンフーハッスル」の試写会に、単に「ハッスル」つながりと言うだけで小川直也が登場し、練習不足の小芝居を見せられたときの(しかもチャウ・シンチーまで呼んでおいて...あれかよ、という)会場のドン引きぶりには衝撃が走ったが、亡国のイージスは有名俳優がたくさんでている割にはおとなしめ。でもやっぱ長い。役者もいいけど映画が観たい。

で、映画なのだが、これは結構面白い。さすが空自、海自の全面協力って感じの迫力で。特に前半が良い。後半はヒューマンドラマを描こうという思いが強すぎるのか、なんだか刑事ドラマとかみたいな展開になってる気がした。「太陽にほえろ」とか「西武警察」で観たような雰囲気になってしまったのが、ちょっと。でも、2時間強、楽しく観ることができる。ただ、原作をかなり圧縮したようで、如月がどういう経緯で現在の任務を負っているのか、両親との関係などが、今ひとつ分らない。原作を読めと言うことか。でもこれなら、2時間半くらいに伸ばして、もう少し人間関係をきちんと説明しても良いと思った。それから、登場する強力な爆弾が、今ひとつ科学的にリアリティがないのが残念だなあ、と思うのは理系だからか? 白服を着た上級士官たちが謀反を起し、戦うのが青服のたたき上げの海曹長、というのが、印象的。

一番良いのは総理大臣役の原田芳雄だと思った。味わい深い。真田広之はいつもの真田広之だ。栄養ドリンクかなにかのCMでの雰囲気と同じテイスト。でもそれで良いと思います。

自衛隊っていろいろ制度的に批判もされたりするけど、自分には自衛官に何人か知り合いがいて、その人たちと話すと、彼らは本当にまじめでいろいろ考えていて、国を守るために頑張ってくれているよ、って思っています。それを思い出すことができる映画だった。

そういえば特撮の絵コンテに「庵野秀明」という名前がクレジットされていた。