BATMAN BEGINS

原稿が忙しくてエラい大変なのですが、その間隙を縫ってというかテンパったあたまを冷やすために(←言い訳)、先日BATMAN BEGINSを見てきた。試写会。

2時間以上の長さだけど、なかなか面白かった。アメコミ由来なので基本的にファンタジーなわけだけど、なるべくリアルに見せようという工夫はそこかしこに見られた感じ。ゴッサムシティのモノレールがちょっとかっこいい。日本での紹介では渡辺謙がやたらアピールされている。曰く「主人公にバットマンになるきっかけを与える」云々。だけどなー。間違ってはいないけど。実を言ってしまえば彼の役所は結構微妙だ。監督の(日本向け)コメントも、リップサービスが過ぎる感じ。しかも相変わらずアメリカ人の考える東洋のイメージって変わらないなあ。なぜチベットの奥地に忍者が...ま、そういうもんだと思っているので別に全然良いんだけど。むしろアメリカ人の謎の東洋感を楽しめる感じだ。そんな渡辺謙も前半にしか出てこない。後半は代わりにゲイリー・オールドマンが出ずっぱり。でもいい人役なのでどうも個性が出ていない気がする。勿体ない。

コスチュームの自作シーンはアメコミ系ヒーロー映画では必須だけど、この映画では存在がばれないようにバットマンのマスクをカムフラージュに中国に一万個オーダーしてたりとか、微妙にリアル感を出してて面白い。ただ、バットモービルが軍事用に開発されたマシンの流用ってことになっていて、異常にゴツイのが気になった。モーガン・フリーマンはいつもモーガン・フリーマンだ。

登場する「マイクロウェーブ発生器」で水道水を蒸発させることがストーリーのポイントになるのだが、人間には影響がないってところがアメコミのファンタジーだ。機械が作動すると周りで水道水はどんどん気化してマンホールから水蒸気が立ち上るのに、人間は機械の横で大乱闘。猫だって電子レンジに入れたら死ぬんだが...でもまあそんなことは気にしない。

全体としては楽しく見られる映画だと思った。クリスチャン・ベールは同い年なんだよな。端正な顔つきをした人だ。