イエスのビデオ

会社の同僚の関さんが読んでるって言ってて興味が出たところで、ちょうどたまたま本屋で見かけたので読み始めた一冊。読み始めて気づいたけど、ドイツの小説なのね。

イスラエルの2000年前の遺跡の発掘現場、主人公のフォックス(アメリカ人学生)が掘り当てたのは、歯に現代的治療(アマルガム使ったやつ)がある白骨と、ソニーのビデオカメラの取扱説明書だった。しかもそのビデオカメラは3年後に発売されるものだった。で、どこかに存在するかもしれない、イエスが写ってるかもしれないビデオカメラを巡って、発掘のスポンサーのメディア王とフォックスと、あとバチカンが三つどもえの争いを始める、という話。
テンポもよくて、まあおもしろかった。まあSFなんだけど、NVのシリーズから出ていることからもわかるように、SF色はかなり弱めで、どちらかというとサスペンスなんだと思う。イエスのビデオを巡る頭脳戦や、イエスのビデオがあることによって巻き起こる出来事に重点を置いていて、この事態が起こった具体的な原因などについては特に重要視されていない。けど、そんなことは気にならないけれど。オチはもうすこしひねってほしかったというか、どうも微妙な気もしたが、キリスト教徒じゃないからなのかしら。
ただ、ヒロインがイスラエル人で「ユーディト」って名前なんだけど、見ても名前だけからどうもジェンダーがはっきりせず、しばらく頭の中で明確なイメージが浮かばなくて、ぴんとこなかった。ドイツの小説だからか、それともイスラエル人だからか、わからないけど。ドイツの小説なんて読むのは、ローダンシリーズ以来じゃないかと思うくらい、覚えがない。
そしてローダンシリーズと言えばタコ・カクタと言う名前を思い出す。