裸者と裸者

経済破綻によって国が崩壊して内戦状態になった、架空の現代日本を部隊にした若者たちの成長劇。

裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 (角川文庫)

裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 (角川文庫)

上下巻で長いんだけど、ぐいぐい読める。「応化」という架空の元号だけど、平成と大体対応しているのかなあ。上巻は茨城県を中心とした地域から始まる。そして後半は多摩センター駅近辺を中心に広がるスラム街の話に移る。主人公の佐々木海人は、8才から兄弟を支えるために働きだし、15才で徴兵され、そして内戦における重要な役割を担っていくようになる。淡々とした文章、ひらがなを多用した佐々木海人の語り口。読みやすくて、長さも気にならない。
作者の内海文三という人は、50代でこれを書いたのかー、と思ったら、もう亡くなってしまったそうだ。しかも、この続編の「愚者と愚者(asin:4048737198)」は、後書きを読むと未刊でおわったっぽいかんじだったけど、調べたらもう発売されていた。読もうっと。