タフの方舟

読了。直径30キロの巨大な宇宙船「方舟」号を操る環境エンジニア(もと商人)のタフを主人公にした連作短編集。2分冊。環境エンジニアとはクローニングの技術と宇宙のさまざまな場所から集めてきた胚を使って惑星環境を変化させる技術者のこと。

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

面白かった。キャラも立ってる。タフのやたらと慇懃な口調は最初なれずに戸惑ったけど、その裏にあるものが徐々にわかってくると心地いい。1巻も2巻も、あとがきがタフの口調そのままになっている(書いている人は違う)くらい影響を受けるというか印象深い。内容的にはどこぞの惑星にトラブルが発生して、それをタフが環境エンジニアリングで助ける、その過程で変わった動植物がいろいろ出てくる、といった話が多い。話は割りと単純だけど、文章やキャラ立てがうまいのですごく面白くなってる、そんな気がした。ただ、各惑星の問題などは社会問題なんかをうまく取り入れている感じ。そのあたりは銀河鉄道999と同じようなイメージ。