遠すぎた星

以前読んでずいぶんと面白かった「老人と宇宙(そら)」の続編が出たので、これは読まなければならない。

遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)

遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)

続編だけれど、主人公は全然違う人物。主人公は、コロニー連合(地球人)に対する戦争を、3種族のエイリアンにたきつけたと思われる人物ブーティンのクローンであるジェレド。彼は、最初ブーティンの意識を植え付けられるために生まれたが(これまで前例がない試み)、失敗したため人工の意識を植え付けられて生まれ変わる。しかし、しばらくするとブーティンの意識がよみがえってきて、アイデンティティに悩んだりする。プロットの肝は、ブーティンによって仕組まれた(らしい)戦争を果たして阻止できるかどうか。前作で出てきた特殊部隊のジェーン・セーガン(前作の主人公、ジョン・ペリーの奥さんのボディを持つ特殊部隊員)なんかも活躍する。ジョン・ペリーは出てこないんだけど、その存在は感じさせる内容になっている。名前も出てくるし。続編、というと前作のことを忘れてて、何となく読みづらいものも多いけど、これは前作の重要な部分さえ覚えていれば問題ないので、よい感じ。
やっぱり面白い。すごく読みやすいし、エイリアンの設定も、ありがちと言えばありがちな設定も多いのだろうけれど、しっかりまとまってて、すんなり頭に入ってくる。途中で出てきた伏線もきちっと回収して、最後にしっかりまとまる感じ。人物もそこそこ書き込まれていて、感情移入もできたし、楽しく最後まで読めた。結構人ががんがん死んじゃうのはちょっとなー、と思ったりもしたけども、面白かった。
ちなみに、後書きによれば、さらに続編(主人公はジョン・ペリーに戻る)もすでに発表されているらしい。もうすぐ第4作もでるとか。楽しみだなあ。