対決の刻

クーンツの新刊が出ていたので早速読んだ。

対決の刻(上) (講談社文庫)

対決の刻(上) (講談社文庫)

対決の刻(下) (講談社文庫)

対決の刻(下) (講談社文庫)

いかにもクーンツらしい小説で、偉く分厚いんだけど、どんどん読める。3つの最初は無関係に見える話(私立探偵、母親を殺されなにかから逃げる少年、障害を持ち、継父に殺されそうになっている少女とその隣人となった女性)が1章ごとに順に語られていくんだけれど、前編600ページを読み終わっても、それらの話がほぼ全くリンクしないので驚いた。勿論最後は一つに修練していくんだけれども、とにかくずっと3つが平行に語られる。でも、わかりにくくは無くて、混乱することもない。クーンツは、ラストがほぼ100%ハッピーエンドになるので安心して読み進められる。ただ、後になって謎がだんだん解けてから、最初のほうを見返すと、ちょっとした伏線がいろいろ張られていたことに気づく。ラストは相変わらずベタなんだけど(あとちょっと伏線の回収が足りない気もするけど...)、気持ちよい読後感で終えられるのは、初めて読んだ「ウォッチャーズ」の頃から変わっていない。面白かった。