最後から二番目の真実

とても久しぶりにフィリップ.K.ディックの長編を読んだ。

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)

ディックは短編はすごく好きで、大学時代に結構読んだけど長編はすごく好きって感じになれず、あんまり読んでいなかった。この本は、かつてサンリオから出てたらしいんだけど、絶版になってて、新訳で出たもの。
舞台は2025年で、地上では15年も戦争が続き、地上は放射能まみれになっているので、戦争はロボットに任せて人々は狭い地下に住んで、戦闘のための要員(ロボット)を作っている...と思ったら、実は戦争は2年で終わってて、真実を知る一部の軍人だけが要員を召使代わりに使って広々とした世界に住んでました、という設定にかなりひかれて、読んでみることにした。戦争後の世界、みたいな設定の話が好きなので。歴史の捏造がテーマだ。
かつてディックをよく読んでた大学時代より、自分もだいぶ成長したのか、それともこの本がわりとわかりやすかったのか、結構読み始める前は不安だったのだけど、かなりすんなり読めた。なんか大雑把な感じのする設定とかもあるんだけど、そんなには気にならない。最後は一気に読んだ。最後を一気に読める小説は、いい小説だ。
あとがきを読んだら、元となる短編があるとか。「永久戦争(asin:4102255036)」って短編集、読んだかなー、読んで無いっけなー、ちょっと思い出せない。でも、ディックの短編はほとんど読んだと思うので、たぶん読んだはず。
ところでこの本、文庫本なのに1000円する。でもそんな価格も、最近は結構普通になってて、買うたびに高いなーと思ったりする。