ボリビアとコカと米国

コカ茶ティーバッグ


ボリビアに行ったときのことを、少しずつ書いておこうと思います。

われわれは12/28の朝にラパスにつき、1/4の朝にラパスを出発したのですが、この時期のボリビア訪問は計画時にはちょっと微妙な時期と思われていました。というのは、12/18に大統領選挙があったからです。ラパスに着いたときも、そこらじゅうに「EVO」「TUTO」という候補者の名前の落書きがありまして、大統領選挙の雰囲気を感じさせました。

選挙ではエボ・モラレスという候補が50%以上の支持率で当選しました。微妙、というのはもし彼が落選していたら、結構デモやらストやら起こっていただろうと予想されていたからです。エボは社会主義運動党首で、労働者に支持されていいます。彼が負けたら労働者がデモやストをしそうだったのです。そうなると、交通が麻痺するだけでなく、危険だった模様。鉱山労働者はデモにダイナマイトを使うらしいです。

で、エボ・モラレスという人は先住民族アイマラ族)出身で、コカの栽培農家の出身です。コカはコカインの原料になるので、米国は栽培根絶を迫っていますが、エボ・モラレスは反米主義で、コカ栽培を合法化しようとしています(現在は2000年に起こったコカ栽培農家の暴動により、それまで進められていたコカ絶滅作戦が一部撤回されて、伝統的な使用のためのコカの栽培・流通が認められた状態らしい)。とはいってもエボはコカインの製造は取り締まっていくといっているらしいのですが、米国はコカそのものを作るなといっているので、対立してます。

コカはもともとこの地方の文化として煎じてお茶にしたり、直接噛んだりする嗜好品でした。今でもお茶はかなりポピュラーで、どこの喫茶店やレストランにもあるし、別に中毒性はないらしいうえ、利尿作用があって高山病に効くということで、僕もかなりよく飲んでいました。

安い喫茶店やホテルの部屋にはティーバッグがありましたし、ちょっといいレストランにいくと、お湯の中にコカの葉がそのまま入っていたりします。独特の風味があって美味しいです。現地の人は砂糖を入れるらしくていつも砂糖が一緒に出てきますが、普段日本茶を飲みなれている日本人なら砂糖はいらないと思いました。

で、エボ・モラレスはコカ栽培農家出身ですからもちろんコカ栽培は大賛成だし、さらに反ブッシュなので、年末には「ブッシュは唯一のテロリスト」とか発言してけんかを売っています。

でも実はボリビアアメリカの経済援助を受けてるのですが、コカ栽培根絶が継続条件なら、拒絶すると大統領側近が語ったらしい。

そしてそんな反米のボリビアへは今回American Airlineを利用して米国経由で行ったのですが、米国の入国審査や荷物検査が異常に厳しくなっている。2001年の同時多発テロ以来トランジットでもいったん入国しなければならないし。しかも最近は指紋や顔写真も取られるし、えらい時間がかかって入管は長蛇の列。そのせいでトラブルに巻き込まれもしたのですが、それは後日書くとして、とにかく厳しかったです。

この厳しさというかテロや攻撃に対する警戒の強さと、米国の自分のことしか考えない傍若無人ぶり(コカの栽培禁止も他国の文化を無視していると思いますし)と、反米な国の人たちとかをみてまして、あらためて米国の今の状況ってやばいよなー、と思ったりしました。

なんかまとまってないけど、いつまでたってもまとまらなそうなのでそんな感じの漠然とした感想文でした。

ボリビアのことはまた書いていきたいと思います。それから、上記のボリビア関係の情報はある程度調べていますが、間違っているかもしれませんので、もし間違いがありましたら許してください。

写真はスーパーで撮影したコカ茶のティーバッグ。