南セントレアって

愛知県に誕生しかけていた南セントレア市が結構ニュースで話題になっている。どうも、いったん決定を撤回して決め直すらしい。テレビのニュースでも美浜市に取材に行ったりして、大騒ぎになっている。

で、「南セントレア市」という名前に住んでいる人たちは大反対している。インタビューに応えて、反対の理由として「こんな田舎なのにカタカナ(の名前)」といっている人がいて、内外の人々が感じているだろう気持ちがよく現れているなあ、という気がした。

それでも合併協議会の会長で美浜町の町長さんだという人は、インタビューでは「南セントレア」という名前には未練があるというか、自信があるらしい様子。「先を読みすぎた」みたいなことまで言ってた。正直このセンスには、「どこにも通じていない日本一(世界一か?)の吊り橋」を作ったり、ほとんど人のこない巨大なホールを造ったりするのと同類の「こうすりゃあここもにぎわうだろう」的な、安直で大いなる勘違いをすごく感じる。

が、あまりにも典型的というか、非常にいかにもすぎる「ダサさ」だけに、本当に美浜町長は「南セントレア」を絶対良い名前だと思っているのか、と疑いたくなってきた。というか、実はこの大騒動を起すための意図的な芝居ではないかというか、壮大な「釣り」である気もしてしまうんだよな。実際、自分を含めて、この騒動で美浜町とか知多半島とかを初めて知ったり、ふぐとたこが名産であることも知った人も多いと思う。そして、マスコミもたくさん訪れているし、今後は観光客も増えるかもしれない。飛行場から近いこともわかった。すごくアクセスが良い。だいたい、あそこに飛行場ができること自体あまり知られていなかっただろうし、それに関してもすごく良い宣伝だ。これだけの宣伝が、ほとんど金をかけずにできてしまっている。他の合併は、全然話題になっていないのに、ここだけがすごくニュースになっている。「南セントレア」という名前を付けようとしただけで。

もし、ここまで考えてこの騒動を起すために、あえて「田舎者のダサさ」を(地域の人までもうまく欺いて)意図的に演出していたのだとしたら、あの町長さんは実はスゴイやり手なのかもしれないなあ、とか。で、結局最後は「美浜市」とか「知多市」なんかで落ち着けて一件落着、みたいな終わりも想定してたりして。

なんて思いながら、テレビを見ていました。