テレビの嘘を見破る

読了.「この番組は嘘だ!」的なアオリ系ではなく,ドキュメンタリーの中において,演出,再現,虚構はどこまで許されるのか,ということを番組の作り手の立場からまじめに考察した本.ドキュメンタリーをとっていても被写体となる人は無意識に演技をしてしまうとか,伝統行事をお願いして再現してもらうことは,文化を記録するという意味においてはやらせではないのではないかとか,確かにそのとおりだろうなあ,とも思う.

ドキュメンタリー番組の冒頭,目的地に向かうシーンが実は帰り道に撮影することがあるとか,象が川に落っこちて,もう一匹が救い上げるという保険会社のCMが,川に落ちるところだけがハプニングの映像で,残りは全く別の象に演技をさせている,というような具体的なハナシも面白かった.

テレビの嘘を見破る (新潮新書)

テレビの嘘を見破る (新潮新書)