ヴァン・ヘルシング

試写会で見てきた.厚生年金会館.バチカンの命を受け,世界中でモンスターを狩るヴァン・ヘルシングヒュー・ジャックマン)が,トランシルバニアでドラキュラ伯爵と戦う話.最初から特殊効果使いまくりの,CG使いまくりで大迫力だった.ものすごいカメラワークで酔う.

が,ちょっと最初からとばしすぎで,後半,慣れが生じてしまう感じ.後半どんどんご都合主義が炸裂しだすが,ハリウッド映画なんでその辺は大目に見ていいとおもった.これはバンパイアとアクションと映像を楽しむための映画で,そのあたりはとても楽しめる.全体的に灰色がかった雰囲気ですごく好み.

オチは自分の個人的な好みとはややずれていたのが残念.ヴァン・ヘルシングが何者なのか,自分にはいまいちよくわからなかった.ヒントはたくさん出てくるので,何となくはわかるが,すべてをつなぐ糸が出てこない感じ.

それから,CGで描いた生き物って,なんであんなに軽そうなんだろう.「ハルク」とかもそんな感じに見えるけど,もっとずっしりした感じにすると,よりよいと思ったなあ.

でもやっぱり,いわゆる「バンパイア」物と「ドラキュラ伯爵」物は違うわけだが,「ドラキュラ伯爵」を出してしまうと,過去のイメージとかいろいろあるから難しいなあ,とおもった.あと,この映画はフランケン・シュタインやジキル博士(とハイド氏)も出てくる.有名なキャラクターを使うのは,その有名さを利用できるからいいけれど,過去のイメージとの折り合いをつけるのが,失敗しやすいかも.ヴァン・ヘルシングが失敗しているとは思わないけど,なんかちょっとしんどそうだ.だからもう,単なるバンパイア映画にしてしまって,想像力を自由にふくらませてもらった方が,面白かったりするかもしれないと思った.

ドラキュラ伯爵のリチャード・クロスバーグなどは,発音がrを巻き気味に魔人ドラキュラのベラ・ルゴシみたくしていた感じ.オーストラリア人らしいけど.それから,ケイト・ベッキンセールの衣装は胸強調しすぎで笑った.ドラキュラの花嫁は,第1の花嫁アリーラのエレナ・アナヤが一番かわいい.建設途中のエッフェル塔って,いろいろな映画で見る気がするけど,ついつい描きたくなるのだろうか?