一度も植民地になったことがない日本

世界の文化の違いとか、そういったことにすごく興味があるので手に取った一冊。

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

国際結婚をしてヨーロッパに住んでいる著者が語る、文化の違い、日本感などを書いている。へ絵、と思うことがたくさん書いてあって一気に読んだ。
たとえば、バカンスの考え方の違い。ヨーロッパ人はバカンスを長くとることは有名だけど、彼らはその間、ただ「何もせず」過ごすらしくて、日本人である著者にはそれがつらいとか。マダガスカル人は「自分たちはアジア人」というメンタリティを持っていて、日本人には親近感を持ってくれているとか。アジア圏では、電化製品は中国製などの新品よりも中古の日本製が売れる(ここまでは知っていた)けど、ヨーロッパ人にはそれが理解できていないこと。日本流の気配りをヨーロッパでやると、「言われたことだけやれ」と怒られてしまうことなど。経験を元に書いてあるので、非常に興味深いし、説得力がある。
なぜ「南蛮人」は「蛮」という時が入ってしまっているのか、という考察もおもしろい。ヨーロッパ人は風呂に入らなかったので、当時から清潔だった日本人にはやたらと野蛮に見えたんじゃないか、という。イエズス会では、日本に布教に行くときには風呂に入れ、というお達しが出てたらしい。
あと、「ダッチ・アカウント(割り勘)」とか「ダッチ・ワイフ」「ダッチ・オーブン」などの言葉は、なぜ「ダッチ(オランダの)」という言葉が入っているか。それはイギリスとオランダが敵対国だったため、よくないこと(や「代用品」)の意味で「ダッチ」を使ったんだそうだ。ダッチ・オーブンって、オランダにはないらしい。甚だ失礼な話だよな。
とにかく、外国人から見た日本や日本の姿、というのはおもしろい。自分たちが気づかないことにいろいろと気づかせてくれる。News Weekには「Tokyo Eye」という日本在住外国人のリレーコラムがあって、これが本当におもしろくておすすめなんだけど、それにも通じるものがあった。
そういえば「Tokyo Eye」に以前「茗荷」に関するコラムがあって、茗荷を英語では「Japanese ginger」というけど、日本にはショウガもあるよ!ミョウガは全然別物だろう。ミョウガ最高!みたいなコラムでおもしろかったことを今思い出した。