ハズバンド

僕は今から15年位前にモダンホラーばかりを読んでいた「モダンホラー期」があって、御三家であるところのキング、クーンツ、マキャモンはすごく読んでいまして、中でも一番クーンツが好きでした。なぜなら、彼の小説は必ず大団円というか、これでもか、というくらいのハッピーエンドで終わるから。僕はちょっとくらいならご都合主義でも、ハッピーエンドで終わる話が好きです。あと、SFっぽいのもよかった。SFも書いてるし。でも、その後クーンツの小説は「超訳」というありえない形式で日本語化され始めてしまったので、まったく読まなくなっていました。そんなクーンツの新刊が早川文庫で出たということで、明らかにホラーじゃないし、SFっぽくもなさげだったけど、読み始めました。

ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)

ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)

奥さんを誘拐された庭師の主人公が、最初は翻弄されながらも、犯人との知恵比べをしながら奥さんを取り返そうとする話。メル・ギブソンイカれた演技がすばらしい「身代金(asin:B0009Y296A)」という映画があって、僕はあの映画が大好きなので、それと似た雰囲気だったのも読み始めた理由の一つです。
話はすごく読みやすいし、徐々に謎も解けてくるしで、どんどん続きが読みたくなるし、最後もやっぱり大団円。さらっと読めて読後感もいい。その後体に残らない感じなのはクーンツは毎度のことだけど、久々に読めてよかったです。いや、よかった。