ハンバーガーを待つ3分間の値段

何のきっかけで知ったのか忘れてしまったのですが、この本を読みました。

作者は「タワー」「シーマン」や最近では「大玉」を作ったゲームクリエーターの方。この本は「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載などをまとめたもののようです。内容は、日常の疑問や問題点を、独特の視点で切り取って解説した本なのですが、これがゲームクリエーターならずとも、なかなか示唆に富んでいました。

ハンバーガーを待つ3分間の値段」は、マクドナルドなどでハンバーガーを頼んだとき、もしお店につくり置きがなければ、「○○分ほどお時間かかります」と時間を言われる。この時間は完璧に正確ではないけれども、予測時間を教えてくれることで、待つか待たないか、待つにしてもその時間をどう使うか、ということをお客が選べるようになる。ディズニーランドの行列の「○○時間待ち」も同じ。そして、パソコンのファイルコピーなどの「残り時間○○分」なんていうのも、昔は表示されなかったけど、表示されるようになったことで、その間にコーヒーを飲みに行くとか電話をかけるとか、ほかのことをしやすくなった。

ここで重要なのは、それによってお客(ユーザー)が自分で行動の見通しを立てられるようになり、自分の行動を選択できるようになるという「選択肢」を与えることができることだと。選択肢も闇雲に与えることが言い訳ではないかもしれないけれども、適切な選択肢を与えられるようにするのはすごく重要だということです。本当にそうだなあ、と思いました。サービスを作るうえでも重要なことだな、と。